三田・篠山を中心とした六甲山以北地域のサイクリングマップ委員会さん 第2回ひなたサイロゲ その3 ロゲイニング事前準備①

2019年12月10日

以下は、第2回ひなたサイクルロゲイニングに参加された、三田・篠山を中心とした六甲山以北地域のサイクリングマップ委員会の関係者の方のお許しを得て、フェイスブックからの投稿を転載させていただきます。

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またまた長くなりますが、興味のある方はご一読ください。

サイクルロゲイニング事前準備①

「地域理解を深める事」

サイクルロゲイニングは、開催される地域に住んでいる参加者は地域理解という面で絶対的なアドバンテージがあります。
いわゆる「土地勘」というやつです。

ロゲイニングMAPを見てチェックポイントの場所を即座に見当が付けられたり、地元民であればこそ知っている細かいルートを使って時間短縮が出来たり、ここからここまでは何分くらいで到着するという感覚を持てたりと判断の基準となる材料を豊富に揃えていることが土地勘を持つ者の絶大なアドバンテージです。

でも、地元民が土地勘があるという理由だけで必ず勝つようなサイクルロゲイニングでは他の地域からの参加者がなかなか集まりません。
そこで主催者は地元の参加者が有利にならないように様々に工夫を凝らした競技設定を行います。例えば、地元民でも分からないような細かなチェックポイントを設定したり、配点にランダム要素を増せば、土地勘のメリット、さらに言えば競技志向サイクリストとファンライド志向サイクリストの脚力の差を薄めることができます。

ただし、ランダム要素を強める事は競技の戦略性を減じることにも繋がり、サイクルロゲイニングの競技性を損ね、誰しもが平等に楽しく遊べるレクリエーションの色合いが濃くなり過ぎる可能性があります。

個人的な好みの問題ですが、僕はサイクルロゲイニングに競技性を求めたい気持が強いので、レクリエーション要素が強過ぎて競技性が破壊されるような設定は望ましいものではありません。

限られた時間内に各参加者が必死に思考を巡らせて戦略を描き出し、互いに競い合うことに面白さを感じるからです。
このあたりのバランスの取り方が主催者側にとって難しいところでもあり、楽しいところでもあったりします。
ともあれ、サイクルロゲイニングの競技性を色濃くしたいと望む主催者であれば、多少のランダム要素を組み込んではいても、基本的には戦略によって勝敗が分かれるような設計を狙っている筈です。

そうなるとやはり土地勘を持つ者はそれを持たない者に比べて優位に立つことになります。
そこで地元民以外の参加者が高得点を狙うためには土地勘の不足を埋めるための事前調査が必須になります。
では、具体的にどうするか。僕の例を挙げて検討してみましょう。

今回の「第2回ひなたサイクルロゲイニングin宮崎」では、スタート&ゴール地点の宮崎市佐土原町の広瀬地区交流センターと、サイロゲの範囲が「宮崎市、西都市、新富町とその周辺地域」であることが、大会公式HPを通じてアナウンスされました。
その情報を頼りに、その地域の大部分が掲載されている「旺文社都市地図宮崎県宮崎市」を購入し、必要範囲を白黒コピーして切り貼りして繋げ1枚の書き込み用のMAPを作成しました。

この書き込み用のMAP作成が地域理解の第一歩です。あえて白黒コピーにするのは、調べた情報を分かりやすく書き込んでいくためです。
このMAPに必要な情報を書き込んでいくのが次のステップです。以下は箇条書きで説明していきます。

①スタート&ゴール地点となる施設の場所の把握と周辺の道路状況を確認する
もし、時間に余裕があるのであれば、競技開始前にスタート&ゴール地点の施設の周辺、直径1km圏内の道路状況は実地調査で確認しておくのがベターです。
サイクルロゲイニングの特徴の一つとして制限時刻を越えての遅着に対しては厳しく、順位を左右するような大きなペナルティを課される、というものがあります。
このペナルティの重圧を感じながら制限時刻のギリギリまでポイント獲得のために攻められるか、セーフティに時間を余して帰着してしまうかは大きな差が生まれます。時間ギリギリまでロゲイニングを攻めるためには、何分あればゴール地点に戻ってこられる、という正確な感覚が欠かせません。

②サイロゲ範囲内の道路を確認し、蛍光ペンでマークする
その地域に張り巡らされている国道や県道、市道や農道、あるいは川沿いの道や自転車道を確認しながら蛍光ペンでなぞっていきます。
大きな国道はバイパスになっている事が多いのでそこが自転車通行不可ではないかをGoogleマップのストリートビューを使って確認します。
バイパスは信号機もカーブも少なく設計されているので、そこを自転車で走ることが出来れば、高速移動が可能になり、かなりのタイムロスを防ぐことが可能です。
川原の道や自転車道も同様です。今回の地域で言うと、西都市から宮崎市北部を横断する一ツ瀬川という大きな川が流れており、その川沿いに佐土原西都自転車道というのがありますが、その自転車道が実際に役立ちそうなものなのかどうか、その有用性を確かめておく必要がありました。
その確認はGoogleマップのストリートビューも使いますし、その自転車道を紹介しているWebサイトを見たりもします。
あとは、A地点からB地点に移動するとして、その際にどの道を使うかを地図を見て目星を付け、ルートラボを使いその間の距離やアップダウンの様子を確めます。
平均時速30km/hで走るとすると、距離(km)を倍にした数が時間(分)になるので計算が立てやすいです。5㎞走るには10分必要で、10km走るには20分が必要になるという訳です。

③スタート&ゴール地点からの主要ポイントの距離を計測し、地図に書き込む。主要ポイント間の距離も同様に計測する
サイクルロゲイニングは、制限時刻までにスタート&ゴール地点に帰着する事が至上命題です。
そのため、競技終盤に制限時刻が迫る中で慌てずポイントを確保していくためにも、この地点からは何分で帰着できる、という感覚を持っておくことが絶対に必要になります。
本番当日は、予め予測した戦略が取れる可能性はほぼ無いので、終盤にどのような場所にいても、スタート&ゴール地点からの距離をだいたいの感覚で把握できるようなアバウトな感覚をいかに持てるかが勝敗を分けることに直結するでしょう。

④サイロゲ範囲の地域の地形を把握する
地図から読み取ったり、ルートラボで土地の勾配を見たりして、その土地が平坦地なのか、山岳エリアなのか、丘陵地帯なのか、感覚的にそのエリアの地形模様を推測します。
前回の第1回ひなたサイクルロゲイニングin宮崎では宮崎市がサイロゲ範囲でしたが、その南部地域は1000m級の峰々が林立する山岳エリアで、かつ、山を登る舗装路があったので、そこに配されたチェックポイントの得点は高く、ボーナスポイントも設定されていました。健脚のサイクリストなら是非とも狙ってみたいと思わされるエリアでした。
そうした山岳エリアが今回のサイロゲ範囲にあるのかどうかを確めることは極めて重要です。ただし山岳エリアがあったとしてもそこに道路が延びていないなら、サイロゲ的には無いも同然です。
そうした意味では今回のサイロゲ範囲には山岳エリアは無いということが分かります。山岳エリアがあるかないかは戦略を立てる上で大きな分岐点になるので貴重な情報となります。
あと、山岳エリアとは言わないまでも、やや標高の高い丘陵地帯をしっかり見抜いた上で戦略を立てられるかどうか。
今回では、新富町にある自衛隊の空港新田原(にゅうたばる)基地がある周辺は高台になっていて、そこにある幾つかのポイントは、高めに設定されていましたね。
都市地図だけを見ても土地の高低は分かりにくいんですが、等高線の入った国土地理院の地形図を参考にするのもアリだと思います。

⑤土地の名物、名所を把握する
現在、サイクルロゲイニングが日本全国各地で自治体の関連団体主催で行われるようになっている理由の一つとして、サイロゲという競技を通して参加者にその土地の名所や名物などに馴染んでもらうことで、人の流れをその土地に呼び込むという狙いがあります。グランフォンドなど、数百人から千人規模の参加者が集まるイベントではないので波及効果は限定的ですが、とにかく低予算かつ数少ないスタッフで開催できるメリットがあります。
ともかく、上記の目的もあり、チェックポイントにその土地の名所や名物を絡めて、参加者にアピールするということも必要なことです。
今回の舞台となっている西都市や新富町では、日本最大規模の西都原(さいとばる)古墳群があり、周辺の高原状の高台に古墳群が点在しているので、それをチェックポイントとして利用することは容易に予想されましたし、実際にその通りでした。
しかし、佐土原町が「くじらの町」としてアピールを盛んにして、「くじら羊羮」が名物になっていることは知らず完全にリサーチ不足でした。
そうした事を知らなくても、競技的に大きな支障がある訳ではありませんが、予測が当たるというのは精神的に余裕をもたらす効果があります。
サイクルロゲイニングの事前準備としての「地域理解を深める」というのはだいたいこんなところですね。最初に述べたように、土地勘があるということでは、地元サイクリストに絶対的なアドバンテージがあるので、地元ではない参加者はその差を少しでも縮めるために、僅かな時間を割いて、サイロゲの舞台となる地域の事前調査をすることをオススメします(^o^)

ご一読ありがとうございました

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